藤原敏男プロフィール
1948年3月3日、岩手県生まれ。 21歳の ときに目白ジムに入門。
1971年、初代全 日本ライト級王座を獲得。 1973年、元ボ クシング世界フェザー級チャンピオン西城正三を3R、KOで降す。
1978年にはラジ ャダムナンライト級チャンピオン、モンサワン・ルークチェンマイを破り、外国人で初めてムエタイの王座を獲得する。また、同年、ラジャダムナン・ルンピニーの統一チャンピ オンであるシープレー・ギャッテソンポップをもKOで破り、新格闘術のライト級チャンピオンの座に君臨。
1983年現役引退。戦績141戦126勝99KO 13敗 2引分け。
現在、真武術 龍魂会 会長。
4人のチャレンジャーが藤原敏男に挑む!
②パンチの得意な相手と戦う
かつて、ボクシングの世界チャン ピオン・西城正三と戦った時、藤原選手は2Rまで全く足を使わず、パ ンチ合戦のみで打ち勝った経験を持つ。パンチの得意なM選手にも、藤原選手はパンチのみで応戦。 ハード パンチャーのM選手と壮絶な打ち合いをスタジオ内で展開。そのパンチのスピードが今だに衰えていないこ とを証明した。
〇パンチの得意な相手を制する
TECHNIQUE・1
フェイントでパンチを誘い出す
ある程度のボクシング技術を持った者に、いきなりパンチをあてるのは難しい。 私がよく使った誘いの方法は、相手のパンチのとどく距離まで、ダン!と音を立て前足で踏み込む。 このとき、距離をかせ ぐために上体を前傾させておく。 大抵の者は、しめたと思って右ストレートのカウン ターを放つ。このときに、足は動かさずに上体のみでスウェイし、パンチを泳がせ、その反動で右ストレートをたたき込む。上級者になるほど、このフェイントにはかかりやすい。
TECHNIQUE・2
8の字にパンチをかわす
私の上体の振りはキックでは独特のもだが、ボクシングではよく使われる8の字防御である。頭で8の字を横に描いて(∞)下がるときにパンチを受け、腰を ため、上に向かうときにパンチを放つ。ここでは、連続して打ってくるジャブを右下、左下と頭を振ってさけ、相手のスキを見つけたら左フックか右ストレートで反撃する。
TECHNIQUE・3
両手でガードを固めてブロッキング
しかし、接近戦などでは、全ての相手のパンチをかわしきれない。 そんなときは両手を横に並べてブロッキングし(写真)、即下にした左手でフックを返す。このブロックは相手の蹴りを受け 流すこともできるし、パンチを流して首をつかんで膝蹴りに変化することもできる。
☆ザ・チャレンジャー
M選手 23歳、身長177cm体重71kg。格闘技歴剣道7年、フルコン系空手5年、ボクシング4年、柔剣道2年、中国拳法2年、截拳道一年。ボクシングでは熊本県高校新人戦優勝、九州大会で準優勝の経歴を持つ。得意のパンチ以外にも、各種武道の経歴を持つ強者だ。
☆藤原選手とのスパーリングを終えて
僕には、ほとんど蹴りを使わずにパンチだけで相手してくれましたが、パンチの誘いとカウンターが絶妙のタイミングですね。踏み込んで打とうとするとバッと打たれるし、こっちが攻撃して腕が伸びきったときにスパンと打たれる。打たれるのがわかっていても防ぎようがないんです。相手が藤原さんだと思わずに、普段のスパーリングをするつもり で行いましたが、それでも術中にはめられてしまう点で、さすがだと思いましたね。