ドラグローブで空手に新風!様々な打撃格闘家が集結?!

第2回プレ全日本極真護身空手道選手権大会テストトーナメント

日時:11月20日(土)
場所:品川区総合体育館地下柔道場
 国際空手道連盟極真会館力謝会の浜井識安会長考案のドラグローブを使用した新ルールの大会が開催!新たな空手の流れになるのか?大盛り上がりの大会を観戦してきた。

今回はプレ全日本という事で、あくまでもテストトーナメントである旨が大会名からも分かるが、第2回目という事もあり、様々な団体からのエントリーが見られ、空手だけではなくキックボクシング、日本拳法、ボクシング、ムエタイなど、まさに打撃格闘技の異種交流試合といった趣があり、新しい流れを予感させるものがあった。

 今回浜井会長が提唱している護身空手ルールのコンセプトとは何か?

 「このルールは、まず自分が負けないこと、ケガをしないこと。そのために自分の最大の急所である金的と顔面を正確に防御し、相手にとっても最大の急所である金的と顔面を正確に攻撃することによって自分を守ること。次に相手に勝たせないこと、しかも相手に怪我をさせないことを目的・目標としています。勝ちを誇るより負けないことを目的とするあくまでも護身のためのルールなんです。ポイント制で短時間で勝敗を決着させ試合を終了し、お互いに最少限の身体的ダメージに留めるためのルールです。本来は、戦わずして争いを避けるための自信と判断力を身に付けるための組手ルールなのです」

 またこの大会ではドラグローブという浜井会長考案のアイテムが試合を大いに盛り上げた。このボクシンググローブというよりも、手に装着する防具?というべきか、かなり大きい。選手はこれを手に嵌めているわけではなく、中にある握り棒を握った状態で保持している。「武器の一種でもあるんで、落としたらポイントを取られます」細かい詳細なルールは別ファイルにまとめているのでそちらをご覧ください。

 このドラグローブを介して様々な打撃系格闘技が戦うわけでこれは単純に面白い!そもそも共通するひとつのルールの下に試合をする事が武道の大会なわけで、このドラグローブの存在によって、このルールの中における新たな新基準が出てくるのは必然なのだ。通常の打撃技術では勝てない部分も出てくるし、もう一つのポイントは金的がありという事。これまで空手を含めた様々な格闘技の大会では金的は基本的にNG。金的がないという事で様々な技術が発達したことは事実であるが、護身の面からするとどうなのか?というのが浜井先生の視点だ。不用意に高い蹴りを打つことができないのはもちろん、この金的で一発逆転もあり得る。今回金的での逆転劇も何度か見られた。

 そして実験としての今大会はもうひとつ、奨学金の存在が大きい。武道は心身を強くするための修行であり道であり教育であることは確かだが、実際、武道奨励金が出るというのも選手や関係者のモチベーションをキープする上では重要であることも確か。ちなみに今回の奨学金は優勝、10万円 準優勝、6万円 3位・4位、4万円(道場・ジムと選手の折半)。来年予定されている大会は賞金総額100万円というから注目を浴びざるを得ない大会になる事は必至。現実的センスをお持ちの浜井先生の手腕が感じられる。

 いずれにしても、ルールにおいてはほとんど完成の域に来ているフルコン系の大会において、あらたな波が来ることは大いに考えられるし、歓迎すべき流れだと言えよう。

このドラグローブに関してはまた別の機会にレポートしようと思う。

ちなみに以下が今回の決勝進出者のプロフィール。極真のチャンプとムエタイのチャンプの戦いという面白い組み合わせ!

優勝 木下毅顕 (実戦武道空手 武心塾)
極真空手2段 プロフェッショナル修斗、KWF極真世界大会準優勝 JKJO全日本中量級チャンプ

準優勝
プライチュンポン(GTジム)
IMCインターコンチネンタル Sウェルター級王者

浜井先生に試合後、大会について聞いた。
「おかげさまでケガ人もほとんどなく、無事に終わりました。ケガ人がないということが大成功と言っていいのではないでしょうか。このルールはスピードとタイミングが合えば60歳でも勝てた。15歳でも勝てた。アマチュアでもプロに勝てた。あらゆる意味で、すごい大会だったと思います。安全なのに、実戦的。実はこれ、大山倍達総裁の組手そのものなのです。このことを皆さんに知ってもらいたい。また我こそはと思う武道家や格闘家には大会に参加してこのルールを体験してもらいたいです。また、ドラグローブは格闘技や武道の試合に関して痛そうとか、怖そうとか言う部分で二の足を踏んでいる人たちにも、敷居を低くして、とにかく楽しんで組手できるという事を体感してもらいたいです」

 

士道館館長の大久保義家先生 士魂村上塾の村上竜司先生、その隣が朝堂院大覚総裁
浜井会長 その隣は大道塾の加藤清尚先生
多くの観客が詰めかけて盛り上がりました!