【天骨コラム】格闘技は物理学、心理学、哲学だ!

『ドラゴン魂2』では時代の流れと共に移りゆくであろう技術的な記事や試合の速報や業界の状況などにはほとんど触れていない。私があの本の中で示したかったのは心の部分でしかない。この本は、常に挑戦し続けることによって、困難を突破していく人間に対する賛歌なんだ!今回、闘道館で行った発売イベントを終えて、色々思ったけど、つれづれなるままに書いてみるか。

「格闘技は物理学、心理学、哲学だ」黒崎先生が昔語った言葉。これはまさに真理だ。今回の「ドラゴン魂2」の根底にあるコンセプトは100年、1000年たっても変わらない真理の存在に焦点を当て今一度、我々が原点に立ち返るための指針を示すというものである。

想えば14歳から武道の世界に入り現在に至るまで黒崎先生の『必死の力・必死の心』は、まざまざと私の心の中にあり続け、私の生き方に大きな影響を及ぼし続けている。この黒崎先生の示した概念は格闘技や武道の領域をさえも超えた、人類に対する明確な啓示であり、生き残るための術であるとさえ思う。

 そして、黒崎先生が示した限界の突破に関する方法論を、見事に昇華させ、打ち立てた目標を見事突破する事によって、『必死の力・必死の心』が机上の空論ではないという事を身体を張って示した藤原敏男先生は偉大だ!

黒崎健時の弟子として何人もの名選手がいるが、表舞台に立って当時の様子や心理状態を語ってくれるのは、今の所、藤原先生しかいないんだという事を今回のトークショーで思い知った。先生の口から生で聞ける話は活字や映像では伝わらない迫力があるなとも思った。

黒崎先生は全てを教えない。ヒントをくれる。そのヒントを元に独自の考えと工夫と知恵によって藤原先生は己を前進させた。そして素直な心と要領を使わずトコトン勝負に集中していく力、苦難に耐えしのぶ力を持っていた。何もかも手とり足とり教えてくれてと平気で言う消費者意識丸出しの指示待ち族の野郎たちに先生の爪の垢でも煎じて飲ませるべきだ。まあ、いずれこのテーマに関しては色々掘り下げていくつもりです!

ただ、そこの君!人の話聞いて感心しているばかりではいつまでたっても前に進まんぞ!人類平等、安全第一、短小軽薄なんか全部吹き飛んでしまうような存在の重さに我々は成りえるのだろうか?心の中の灯はまだ消えてないか?は?あ、そうか、消えてないなら前に進んで行きましょうか!