[:ja]一般に敵とは、自分に仇なす者が敵ですよね。でも、我が流儀は出来るだけ敵を斬りたく無いのです。敵が攻撃をする気が無くなれば、こちらは斬る必要は有りません。人を斬るとは、此れまでその敵が関わった全ての人の絆を否定し、人格をも否定して斬る事なのです。とても重い事なのです。
我々の修行する居合の究極の目的は、段位を上げる事でも、技が上手に成る事でも、人様に助言する事でも、ましてや敵を斬り殺す事では有りません。
居合の究極の目的は、居合稽古を通して「完成された人に近ずく為の方便」なのです。
誰にでもトテモ嫌な「もう一人の自分」が居ります。陰険・打算・嫉妬・いじわる・優柔不断・弱虫・粗暴、自己主義等々数えれば限が有りません。そんな裸の自分を自分の前に吐き出して、その嫌な心の「物の怪(もののけ)」を斬ろうとして、刀を抜き出します。己の敵は己の中にいる、しかもとても強い敵なのです。だから100回 1000回 10000回とその敵と向かい合う事で、神の化身の「お刀様」が、我が心の敵を一つずつ切り取ってくれるのです。なので、我々は居合を真剣に抜かなくてはなりません。これは一つのイメージトレーニングですが、こんな事に居合の効果を求めるのも現代居合と考えても良いと思っております。貴方はあなたの居合を見つけ、居合を通してそれを実現して下さい。
真武術 龍魂会 居合部[:]