大道塾 クラシックシリーズ

直接打撃性を謳う空手団体、極真会館は1960年代当時の空手界において、革命的な存在だった。極真会を率いる大山倍達という存在感は梶原一騎の虚実入り混じった独特の手法によって決定的になり、極真会は空手界にとどまらず格闘技界において中心的な位置を占めるに至る巨大組織へと成長していった。

    組織が巨大化するうちに、極真会からは多くの高弟達が各々の理想を求め独立していったわけだが、たとえば黒崎健時先生のように、打倒ムエタイを掲げキックの世界に没入していった人もいたし、サバキという技術体系の構築と追求を旗印に独自の空手を編み出した芦原会館。そこからはK-1を通して格闘技をメジャースポーツとして世間に浸透させた正道会館の石井館長がでてきたし、もっと上げればキリがないが、とにかく現代の格闘技界にとって、極真会館とはきわめて重要な“コア”の部分を形作ったひとつの運動体のようなものだろうか。大道塾という団体はそういう所からで出てきた団体なのだ。

   なんでこんな事をいちいち述べてきたかというと、驚くべきことに、大道塾という団体が極真会から出てきた団体だということを知らない人が結構いるからだ。つい最近大道塾の若い人間に大山総裁の話をした時、誰も知らなかった…。
もっとも、格闘技とか空手に興味がない人には大道塾という団体のことも知らない人が多い。ためしに周りに聞いてみるといい。「大道塾って知ってる?」と。実際K-1や正道会館はテレビの影響で認知度が非常に高く大体皆知っている。九州に住んでいる格闘技とか一切興味のない親戚のおばさんに聞いたら知っていたしね。極真は空手を教える道場名として知っていた。一般の人の認識ってそんなもんだ。

1980年代後半の状況は確かに格闘技が段々と若者世代に注目されつつある機運が盛り上がろうとしていた状態だった。格闘技専門誌がかなりの数出ていたし、実際に格闘技イベント、大会などがそれなりの頻度で開催され始めていた。ただ今の状況と明らかに違うと私が感じるのは、少なくとも選手として格闘技自体に参加しようとしている人たちが中心の時代だったなと。いつか俺もあのリングに立ってやる!という人が相当数占めていた時代だったなと。今はどちらかというと、「リングで戦う人」「見て楽しむ人」が明らかに分かれていて、「戦う人」と「見る人」は別の種類の人種として存在してる。まあ、これは私の印象ですけどね。別に80年代の状況と現在の状況、どちらが良いというわけでもないと思いますし。

  80年代後半から90年代半ばまで。格闘技界は今ほど競技性が明確に追及されていないし、あいまいな部分も多かった。そしてその競技はあくまでも通過地点で、最終的には世界中の強い奴と戦い、勝つという、まあ言ってみれば格闘技者による共同幻想のようなロマンがド~ンとあったような気がしますね。格闘技というのは、他のスポーツと違い直接的に人間の強さを比べる性質を持っているのは確かですし。なので、異種格闘技戦とかに胸を躍らせるのは大体男です。女性からすると「はぁ?バカ?」となると思いますね。

    本格的に格闘技が競技として細分化の兆しを見せ始め、それぞれのセクトで競技化が進められてきて、今となっては格闘技の競技化は完成の域です。それは結局どういう事なのかというと勝敗の決定を明確化するという作業の終着点ですね。これは格闘技競技をスポーツとして捕らえてみれば当たり前で、そうならざるを得ない。

今は格闘技の試合に出る人はその競技のみで勝とうとする。スポーツとしては当たり前ですが。だって、バトミントンの選手は結局テニスで最後勝とうとか、卓球で勝とうとか思わないですからね。

    ただ、さっきも言ったように、格闘技というのは強さを直接的に測る宿命のようなものを背負っていて、本能的に「じゃあ、どっちが強いんだ?」的なものからは中々逃れられないんですね。
最近でも某格闘技VS某格闘技的な対立軸を持ってきて競技内での異種格闘技的なニュアンスを持たせた興業なども出てきてますし、これはむしろ先祖帰り的なことかもしれないな~。

    大道塾という団体は空手から出てきた団体ですが、80年代時総合格闘技的なアプローチをしていて、これは今考えるとすごい事ですよ。時代先取りしてますよね。シューティングとかシュートボクシング、骨法なんかも総合格闘技的な分類で、そこに大道塾が入っていてよく雑誌の表紙なんかも飾ってっけ。ただ、他の総合格闘技の組織とは違って大道塾は元々空手の団体というバックボーンと、その当時「月刊空手道」でこれでもかって言うぐらい大道塾の特集が組まれていて、組織としてはすでに中規模クラス。選手層の厚さは確かに群を抜いてるわけです。

     前にもブログで書いたが、その当時、80年代後半から90年代半ばぐらいまで、全国の強くなりたい若者が東京の練馬にある大道塾総本部目指して上京していたんですが、これもそんな勢いがあったからですね。とくにこの時代の長田賢一先生の一種独特なオーラというか、他を寄せ付けない圧倒的な存在感は我々10代の男の子の心を鷲掴みですですわな。

    今回、福昌堂で販売されていた6作品。確かにマスターテープが古いので、映像よくないですよ。4Kの時代にこの映像クオリティーか?という人もいるかもしれない!でも内容なんだよ!いくらきれいな映像でも中身がスカスカで何の感動も起きないものもある。私的には映像汚くても、内容が良ければいい。そう思いますけどね。言い訳っぽいけど。

 

 

 

 

作品紹介
タイトル①
北斗旗ベストバウト20
レーベル福昌堂
品番DFK-002
価格5800円
収録時間90分

格闘空手の本道として揺るぎない位置を確立した空手大道塾、設立13年めをむかえ”大道塾”と”北斗旗”の名前は確実に定着し、その試合レベルは年々目を見はるものがある。
このビデオでは過去13年にわたる北斗旗空手道選手権の中でも特に名勝負といわれる20試合と長田賢一のタイ遠征、92・93THE WARS、インタビューを織りまぜた大道塾13年間の集大成である。大道塾の歴史がこの一本に詰まっている!!





タイトル②
ザ・ソウルファイター
長田賢一
レーベル福昌堂
品番DFK-003
価格5800円
収録時間40分

空手王者VSムエタイ王者 北斗の覇者・長田賢一、灼熱の格闘技ムエタイへの旅。
長田VSラクチャートの壮絶な戦いが収録されている!





タイトル③
ザ・ソウルファイター2凱旋
長田賢一 市原海樹 加藤清尚
レーベル福昌堂
品番DFK-004
価格5800円
収録時間40分

1992年、フルコンタクト空手界に一代ムーブメントを引き起こしたグローブ空手。
空手へのグローブ導入が叫ばれる今、沈黙を保ち続けた大道塾がついに立ちあがった。
長田賢一がオランダへ、市原海樹がタイ・ビルマ国境へ、加藤清尚がイギリスへと、それぞれが大道塾の威信を賭け旅立った。これは大道塾格闘戦士の新たなる戦いの序章である。





タイトル④
ザ・スピリチュアル カラテ 小よく大を制す
レーベル福昌堂
品番DFK-005
価格5800円
収録時間60分

“今牛若丸”加藤清尚<163cm・71kg>、”伝説のわざ師”岩崎弥太郎<157cm・63kg>、身長と体重が勝利への大きな要因となる格闘技界において、小柄な体をものともせず、北斗旗無差別大会を制したこの二人の最強空手の技術とトレーニング方法を様々な角度から徹底分析した格闘家、ファン必携ビデオ。





タイトル⑤
The LEGEND OF THE HITMAN 長田賢一
レーベル福昌堂
品番DFK-006
価格5800円
収録時間60分

ついにベールを脱いだ格闘技界の伝説のファイター。大道塾と伴にひたすら角と裏手の真髄を求め続け、まさに空手界の頂点に立つ男。栄光の光と影を凝縮した知られざる彼の10年に渡る軌跡を今ここに・・・・・・





タイトル⑥
北斗の咆哮 HAMMER PUNCH 市原海樹
レーベル福昌堂
品番DFK-007
価格5800円
収録時間60分

大道塾生 市原海樹 その青春の軌跡をこの一本に凝縮!!